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人工呼吸器サーボiの換気モードについて、看護ラダーで勉強してきました。

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こんにちはタクヤです。

本日は人工呼吸器のサーボiについて、その換気モードや各種のパラメータについて看護ラダーで勉強してまいりました。

休日なのに職場に行かなければいけないってことで朝は元気が出ませんでしたが、いざ勉強してみるとなかなかに目からウロコな内容でしたのでちょっと紹介してみたいと思います。

 

換気モードについて

人工呼吸器には換気モードがいくつかあり、患者さんの呼吸の状態によって換気モードを設定する必要があります。

この換気モードの名称は人工呼吸器のメーカーによって違うのでややこしいですが、大きく分けて

・強制換気モード

・補助換気モード

とに別れます。

今回は当院で使用しているサーボiで説明しますが、基本的な構造やシステムはおよそ一緒です。

 

強制換気モード

強制換気モードは患者さんのすべての呼吸を人工呼吸器によって行うモードで、およそ3種類に分類されます。脳幹出血などで、患者さんの自発呼吸が完全に止まっている場合などに使用されるモードです。

 

定量式 VC(volume control)

VCとは(volume control)は一回の換気において、決まった量だけを換気させます。たとえば人間の正常な呼吸数は12~15回/分で、1回の換気量は約450~550ml/回なので、この数値を設定します。1回の換気を決まった量だけ送り込むので定量式と呼ばれます。

このモードの注意点は、気道内圧が高くなると肺を損傷する可能性があるということです

 

人間が息を吸うと肺が広がりますが、このときの肺の中の軌道内圧の正常値は

10~20cmH2O

です。

肺の収縮力が弱い人、つまりはCOPDなどで肺がガチガチの場合、強制的に500mlの定量の空気を送ると、広がりにくいのに無理やり広げることになるため気道内圧が高くなります。これを続けると、肺に負担がかかりすぎて、最終的に穴が開いて気胸を起こすなどの場合があります。

定圧式 PC(pressure control)

PC(pressure control)は、今度は気道内圧がある一定の数値になるまで換気を行うモードです。上でも述べたとおり人間の気道内圧の正常値は10~20mmH2Oなので、この気道内圧の数値と1分間あたりの換気の回数を設定します。

この換気モードの注意点は、換気量が患者さんの肺の柔らかさによって変わってしまうところです。

1回の換気量は約450~550ml必要ですが、肺がガチガチな患者さんだとこれに満たない量しか入りませんし。逆に肺が柔らかすぎるとこれより多くの量が入ってしまい過換気になる可能性があります。

圧補正従量式 PRVC(pressure-regulated volume control)

上記の2つの良いとこどりをしたのがこのPRVC(pressure-regulated volume control)です。

基本はVC(volume control)で一定の量の空気を送りますが、気道内圧が一定の数値を超えると止まるようになっています。

 

患者さんの肺の状態に合わせてモードを選びますが、肺がガチガチで換気量が十分に得られない時には、送り込む空気の酸素濃度(FiO2)を上げて、血中の酸素分圧(PaO2)が基準値になるようにします。

ちなみに酸素濃度(FiO2)は気体中の酸素の割合で、空気だと0.21(空気中の酸素の割合は21%なので)です。なのでこの数値を0.21以上に上げて血中の酸素分圧(PaO2)を基準値の80Torr以上にしたい、というわけです。

ただし単に酸素濃度を上げすぎてしまうと、最終目標である人工呼吸器からのウィニング(人工呼吸器からの離脱のこと)から遠ざかることになるので、この数値の設定にも注意が必要、というわけです。

 

補助換気モード

補助換気モードは、患者さんに自発呼吸があるが、その自発呼吸が弱い、回数が少ないなどで十分に酸素を取り込めない場合に使用します。

 

持続的気道陽圧 CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)

CPAPは持続的に気道内に圧をかけ、肺を広げることでガス交換の効率を上げるモードです。COPDなどで肺が虚脱している患者さんの場合、自発呼吸では肺胞が膨らみ切らず、ガス交換の効率が悪い場合があるため、このモードを使用したりします。人工呼吸器のウィニング前の患者さんにも使用します。

また、肺に一定の圧をかけることで胸腔の内圧が高まります。このとき心臓はおにぎりを握るようにギューッと胸腔から圧をかけられている状態なので、血液が心臓に戻りにくくなり、循環血液量を減らす効果もあります。

ぱっと聞くと循環血液量が低下するっていうと悪いイメージを抱きがちですが、心不全で肺うっ血を起こしている患者さんに対しては、前負荷を減らすことで心臓の負担を減らす効果があります。

後負荷に関しても、周りから圧力をかけられているので収縮力が上がり、血液の送り出しにかかる心臓の負担も減らすことができます。

こういう理由で心不全の患者さんがCPAPを利用することがある訳です。

 

ただしこのときに使用するCPAPは口からチューブを通して換気を行うような侵襲的人工呼吸器(IPPV)ではなく、密閉式のマスクをつけて換気を行う非侵襲的人工呼吸器(NIPPV)を使用します。機器としてはオートセットCSなどが有名ですね。

圧支持 PS(pressure support)

PS(pressure support)は自発呼吸が弱い患者さんに対し、一定の圧になるように補助するモードです。

例えば患者さんの自発呼吸による気道内圧が30cmH2Oしかない場合で、設定を100cmH2Oにしていた場合、残り70cmH2O上がるまで空気を送り込むといった具合です。

 

量支持 VS(volume support)

VS(volume support)は自発呼吸が弱い患者さんに対し、一定の換気量になるように補助するモードです。

例えば患者さんの自発呼吸にが200mlしかない場合で、設定を500mlにしていた場合、残りの300mlの空気を送り込むといった具合です。

 

補助換気モードの注意点

補助換気モードの注意点は、すべて患者さんの自発呼吸が無ければ換気が行われないということです。

補助換気では患者さんの自発呼吸の感知トリガーとして不足している分を送り込むのですが、自発呼吸が止まった場合に強制的に換気をするということは無いので無呼吸のアラームには注意しなければいけません。

 

複合モード SIMV (同期式間欠的強制換気)

SIMVは、補助換気モードの欠点である自発呼吸が止まった際の対応ができるモードです。

普段は補助換気で、自発呼吸が少なくなったときには強制換気をするというまさに美味しいところどりのモードです。

実際にこのモードを使用するケースが非常に多いです。

 

強制換気も行われるので、設定としては

・SIMV(VC定量)

・SIMV(PC定圧)

・SIMV(PRVC圧補正従量)

 

から選ぶことになります。サーボiの場合これに補助換気のモードPSが基本設定となります。

SIMVの場合、先の強制換気の数値設定に加え、1分間の呼吸数が設定されます。

例えば12回/分に設定していて、患者さんの自発呼吸が10回/分しかなかった場合、10回は補助換気、2回は強制換気が行われます。

患者さんが無呼吸となった場合は12回すべてが強制換気になる、といった具合です。

自発呼吸があるけど換気や回数が不安定な患者さんに対してはほとんどこのモードが使用されます。

 

人工呼吸器装着からウィニング(離脱)までの流れ

上記を踏まえて、人工呼吸器装着からウィニング(離脱)までの流れを例を挙げて説明します。

例:脳幹出血を起こした患者さんの場合

・超急性期 

 出血による脳幹の圧迫により呼吸が停止

 →強制換気モード(VC,PC,PRVCモード)

・急性期

 自発呼吸が戻ったが呼吸状態が安定しない、自発呼吸のみでは十分な換気が行わ 

れていない

 →複合モード(SIMVモード)

・亜急性期

 呼吸数は安定、無呼吸状態も見られなくなった

 →補助換気モード(CPAP,PS,VC)→ウィニングへ

といった具合です。

 

まとめ

・人工呼吸器には強制換気モード、補助換気モード、複合モードがあり、患者さんの呼吸状態によって変更される。

・換気モードの選択は患者さんの肺の状態によっては肺損傷を起こす場合があり注意が必要。

・補助換気モードだけの場合無呼吸に注意が必要、モニターを設置し状態の検知が素早くできる状態にしなければいけない。

・CPAPは心不全の患者さんに対して非侵襲的人工呼吸器(NIPPV)で使用される場合もある。

 

以上です、非常に長くなりましたが、ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。

人工呼吸器ってICUなど救急の看護師さんはよく使用するのでこんなこと当たり前のように知っているかもしれませんが、病棟や病院の特性によってはある程度看護師歴があっても使用する機会が少なく分からないって方もいるんじゃないかと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

 

 

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