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患者さんが急変、こんな時あなたならどうする?心電図の勉強も兼ねて

投稿日:2017年4月20日 更新日:

こんばんわタクヤです。

 

突然ですが看護師のみなさん、こんな時どうしますか。

 

脳卒中で入院中の患者さん。症状は落ち着いていたある日突然、

「苦しい!苦しい!」

と暴れだし、泡を吹いて意識消失。

呼吸はあり、すぐに血圧を測り正常値、心電図見ても心室細動などの致死性の不整脈は見られず。

 

どうでしょう、このケースでこの患者さんにどのようなことが起こったと考えますか?

 

実は先日、とある事例でケースカンファレンスを行い、このときの対応などどのようにすべきだったのかを医師や看護師、そのほかリハビリさんなど多職種で話あう機会がありました。

すごい勉強になったのでちょっとだけお話してみたいと思います。

 

この患者さんに何が起こった?

実はこのとき、この患者さんは心臓の中でできた血の塊が心臓自体の栄養血管である冠動脈の一つ、左冠動脈の主幹に詰まり、急性心筋梗塞(AMI)を起こしていました。

知らない人にわかりやすく説明すると、心臓は全身に血液を送るポンプの役割を持っていますが、その心臓自体も動くためには血液というガソリンが必要で、心臓から排出された血液の一部は冠動脈という心臓自体に血液を送る動脈に流れていきます。

これが何かしらの理由で詰まり、血液を貰えなくなった心臓の筋肉が壊死してしまうことを心筋梗塞といいます。心筋梗塞を起こすと、心臓の筋肉が壊死するので、ポンプの機能を果たせなくなり、全身に血液を送れなくなるため、結果死に至ります。

人の突然死の原因として非常に多いのがこの心筋梗塞です。

 

経験のある看護師にこそありがちな落とし穴

この波形を見てどう思いますか?何か問題あると思います?

 

実はこれ心停止してます。

正しく言えば心停止の一種である無脈性電気活動(PEA)の波形です。

今回の事例でも、この波形のようにある程度形状の整った脈波が出ていました。

 

パッと見、え?脈あるじゃん!

 

と思うかもしれませんが、拍出が非常に弱く、主要な血管に血液は遅れていない状態で心停止と同じような状況なんです。

対応としてはすぐにでも胸骨圧迫(心臓マッサージ)が必要になる状態です。

 

そしてこの無脈性電気活動(PEA)の怖いところは、波形の形状にコレ!といった決まったものが無いことなのです。

心室細動にまでは至らず、心電図の波形は表出されるものの、拍出が弱いため心臓が動いてないのと同じ状態なのです。

 

この事例における問題点

先に述べた事例を見て、アレ?と思った人もいるかもしれません。

 

それは、血圧は正常値だったんじゃなかったっけ?

 

というところです。

そう、拍出が弱いので、本来血圧は測れないはずなのです。

 

じゃあなんで血圧は正常だったの?

それは

使用したのが電子血圧計だったことが関係します。

 

現在大体どこの病院でも電子血圧計を採用していると思いますが、電子血圧計はいつでも100%正しい血圧を測れるとは限らないのです。

 

みなさん一度はないでしょうか、電子血圧計を使って測定してみて、

 

「え~この値は違うでしょ。ちゃんと巻き直して再測しよう。」

 

ってこと。脈拍数もおかしかったりしてね。

 

このケースにおいても、本来ちゃんと巻いて測れば測定不能、もしくは異常に低い血圧が表示されたはずなのですが、実際には正常値が表示されてしまいました。

しかし医師はこう言いました。

 

「たぶんこの測定値は間違って出てたと思う。」

 

そう、急変時において周りがパニックになっているような状況、かつ患者も暴れていたようなときに測定されていたため、実際とは異なる血圧、脈拍数が表示されていた可能性が高かったのです。

 

実際このとき患者さんの頸動脈を触知しても脈は触れていなかったそうです。

しかし、心電図でも脈波が表れていたこともあり、初期対応した看護師はそのことに気付かずその測定値を信じてしまったとのことでした。

 

医師は言いました。

「急変時や患者さんの様子がおかしいとき、まずはすぐに血圧を測定しようしたり、心電図をつけようとする看護師さんは多いと思う。」

「もちろんそれが間違いであるとは言わないが、機械を信じてしまうと、実際にそれが誤った数値であったり、今回の無脈性電気信号(PEA)だった時、初期対応を間違う恐れがある。」

「動脈の触知を行って、実際に血圧はあるのか、触れたとしても脈圧があるのかを調べていれば、この状況にもっと早く気付くことができてより早い初期対応ができたかもしれない。」

とのことでした。

 

ふんふんなるほどと聞く私。

血圧も心電図も正常っぽければ、脳卒中で入院している患者さんですし、症候性のてんかんなんかもあるのかなぁと考えてしまいそうな場面です。

 

おさらいをかね、触知にて各動脈が触れる血圧

看護師をしてる人なら結構常識になっているかもしれませんが、忘れている人や知らない人の為に今一度おさらいです。

主要な動脈は、触って脈が触れると血圧がどれだけあるかを予測することができ、緊急時にはこの手法が役に立ちます。

 

出典 http://www.hanakonote.com/kango/myaku.html

出典 http://www.hanakonote.com/kango/myaku.html

・橈骨動脈(手首のところ)

 約80mmHg以上

・大腿動脈(足の付け根、そけい部)

 約70mmHg以上

・総頸動脈(首の両サイド)

 約60mmHg以上

 

と言われています。

血圧が急激に60以下に落ちれば、ショック状態にもなりかねない危険な状況です。

 

まとめ

今回のケースカンファレンスでのまとめはこんな感じ

・無脈性電気活動(PEA)という心電図の波形があり、見た目上脈波があっても実際は心停止に近い状態である場合がある。心疾患において心電図がすべて教科書どうりの典型的な波形になるとは限らない。

・緊急時や血圧計がうまく巻けないときなど、触診で測ることも大切。常に機械が正しい数値を表しているという思い込みは危ない。

 

以上、ちょっと話が長くて、つまらなかったかもしれませんが、管理人としては、なんとも目からウロコの充実したカンファレンスでした。

ホントはもっといろんな話出てたんですけど、ブログでは書ききれずです。文章力も弱いので伝わりきらない感じがするのはごめんなさい。

 

心電図苦手な看護師さんも多いし、今後ちょっと心電図の説明もしていくかも、、、、気が向いたら、、、笑

 

 

 

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