【地域医療を志す看護師必見】紅谷浩之先生と会ってきました:その②

こんにちはタクヤです。@f_c_t77

今回のテーマ

紅谷浩之先生とした今後の地域医療における看護師の役割ついて

紅谷浩之先生との対談についてのパート2です、俺が紅谷浩之先生と対談をするまでの経緯について興味ないよ!って人はここから読んでくれればと思います。

 

【地域医療を志す看護師必見】紅谷浩之先生と会ってきました:その①

 

オレンジホームケアクリニックへ訪問

早速やってまいりましたオレンジホームケアクリニック。

訪問して最初の感想は

「ここはクリニックなのか!?」

 

と思うほどの外観のオシャレさです

壁一面ガラスばりの外観、外からオフィスが丸見えです。

 

中に入ったら更にびっくり

 

中にはオシャレなソファにブランコなんかもおいてあるまるでデザイナー事務所のような内装です。

パッと見せられてここがクリニックだと感じる人はほとんどいないんじゃないかな。

 

働く人みんなMacのパソコンが与えられ、更には全員私服で仕事をしています。

 

対談開始

お話は紅谷浩之先生と副院長である在宅医療プランナー、社会福祉士の西出慎吾さんと3人で机を囲んでお話をさせてただきました。

ここからは話しを段落別に分けて話をしていきたいと思います。

現在の地域医療の問題点

今の地域医療において病院というもの存在意義が大きくなりすぎている。医師も看護師も大きな病院で働くことがキャリアや技術向上のために必要という考えが凝り固まっていて人材が集中しすぎているのも問題。

本来病気というものは生活の中で発生するライフイベントの一つであるのにも関わらず、病気になれば病院で入院して治らなければ家に戻るのが難しいから施設や療養型の病院に行かなければならないという風潮になってきてしまっている。

あくまでの病院での治療というものは地域での生活の中での小さな1イベントに過ぎないのに、人々も医療従事者も病院の中だけで病気というものを完結させなければならないと感じている人が多すぎる。

 

特に高齢者であれば尚この傾向は大きくなっている。入院すれば治るという考えばかりが先行し、入院によって失うものも大きいことをよく理解させないといけない。

 

入院によって失うものもあることを人は知らなさすぎる

例えば高齢で足腰が弱ってきていたが家で生活できていた人が肺炎になったとします。

病院へ来て肺炎なので入院治療で治りますよと勧められたら、肺炎が治るなら「ハイわかりました」というのが普通です。

しかし、本人も家族も退院後の生活をどのように想像しているでしょうか、きっとこの時、肺炎が治って何事もなかったかのように今までの生活を取り戻せると感じているでしょう。

 

しかし例えば次のように言われたらどう感じるでしょうか。

 

入院しないと家で肺炎が重症化して5%くらいの確率で死ぬかもしれません。

入院すると多分死ぬことは無いでしょうが50%くらいの確率で体力低下によって歩けなくなります。人にもよりますが認知機能が低下して認知症みたいになることも全然あります。そしたら誰かが家で介護をしないといけませんしそれができないなら施設に行かないといけなくなります。

 

って言われたらどうでしょう。それなら家で内服で頑張ってみるって思う人も増えるんでは無いでしょうか。

 

少し大げさに言っているような例ではありますが、決してまるっきり嘘というわけではありません。医療従事者の人ならそれが本当であることもなんとなく感じるのでは無いでしょうか。しかし病院ではもちろんこんな案内はしません。なぜなら基本的に病院もビジネスをしているからです。

 

病院での治療が悪だとは言いません。ただ病院によって失われるものがあることを人々が十分に知らないことが問題なのです。

 

家での生活以上にリハビリになるものはない

もちろん家で内服を飲んで治療をしたとしても寝たきりにならないわけではありません。病院でも体力が低下している患者にはリハビリも加わるでしょう。

しかし、家にいる以上、そこには必ず生活という行為が発生します。トイレにも行くし、食べ物も食べる、廊下を移動もすればベッドに入ることもあるでしょう。この行為以上にその人のためになるリハビリがあるでしょうか。

病院でどれだけリハビリをしてもそれはあくまで体力低下の予防にすぎません。どれだけ家での生活をイメージしたリハビリをしたとしても実際にそれを行う以上の効果はないでしょう。

そもそも、人は生活の中で勝手にリハビリをしているのです。

 

よく入院治療が進んでもADLが低下しちゃっているから今のままでは家で生活できない、リハビリをしばらくしてから退院させようって話がありますが、本来は一秒でも早く家に帰して、そこで生活をしながらリハビリを進めるべきなのです。

フランスでは現在在宅入院( HAD; Hospitalisation a Domicile)というものが導入されている。

家以上の療養の場はないという根拠から、日本ではまず病院で行うような治療を在宅で行っているのです。例えば化学療法などもその多くは在宅入院という形で行われています。コーディネーター医師の依頼したかかりつけ医や開業看護師の往診をうけ、CVカテーテルの管理や化学療法を行い、薬剤師は薬局で抗がん剤の受け渡しを行います。かかりつけ医や看護師が副作用の管理も行い、在宅で抗がん剤治療をうけています。

医療費の削減という名目ももちろんありますが、入院における患者本人のストレスも大幅に軽減でき、身体機能の低下も防ぐことができます。せん妄や認知機能の低下を起こすリスクも大幅に低減されるようです。

https://web-opinions.jp/posts/detail/109

 

入院すると発生する安全と責任が自立を遅らせる

入院してしまうとそこには無危害の原則というものが生まれます。

転んで怪我をさせてはいけないため、最もリハビリとなりうる自分主体の活動が大きく制限されることがほとんどですよね。また、リハビリも途中で帰して何か問題があれば、なんでこんな状態で家に帰したんだ、という責任問題にも発展します。だから病院側では

 

家で1週間で自立しそうだから入院1週間でまだ自立はできてないけどとりあえず退院

は選ぶことができず。

1ヶ月かけて元の生活ができるであろう状態にしてから退院

 

という選択をせざるを得ないのです。この前者の選択ができるのは患者本人や家族だけなのに、その認識が無いことが問題なのです。

 

 

地域医療のあるべき形を実現するために紅谷先生が行っている活動

上記の前提がある中で、紅谷先生が提唱するのが、入院前から入院後まで包括的に地域の人々に関わって行くという活動です。まずは下の図を見てみてください。

 

①入院前からの関わり:みんなの保健室など

オレンジホームケアクリニックでは”みんなの保健室”をいう名で福井市内に誰でも無料で利用できるスペースを用意しています。みんなの保健室ではなんとなく具合が悪いな、とか健康を維持するために何をすればいいのかな、などちょっとしたことでもフラッと立ち寄り気軽に相談ができるスペースになっています。看護師が常駐しており専門的なアドバイスをもらうことができます。

 

病院にかかる前の状態から地域の人々とかかわりを持つことで、その人がどのような生活を送っているのか、健康状態がどの程度のものか、趣味や特技は何かなどを情報として得ることのできる場所です。

 

また高齢者に対してはいつか必ず迎える死についても、どのように最期を迎えたいかなどの死生観についても触れ、エンドオブライフについての考え方を共有します。これらの情報は今後その利用者が病院にかかる必要が出てきた時にも大いに役に立ちます。

 

②入院直後の関わり:医療機関への情報提供

みんなの保健室を含め、オレンジホームケアクリニックに関わっていた利用者が何かの病気で入院となった時には入院した医療機関にその利用者のそれまでの生活状況やADL、職業や趣味、好み、死生観などについての情報提供を行います。これらの情報は病院側としても多いに役に立ちます。

 

おそらく一般の人が思っている以上に、入院時に病院が得る患者の情報というものはかなり限られています。既往や飲んでいる薬、元々のADL、アレルギーなど最低限の情報だけが求められ、その人がどのような仕事をしてきて、どのようなこだわりがあり、家でどのように生活をしてどのような趣味や好みがあったのか、までは殆ど目を当てられないのが実情です。しかし、これらの情報は入院中においてとても重要な情報です。例として

 

・家での生活状況、自宅の構造→リハビリにて退院後に向けた実践的で必要となる動きを練習できる。

・趣味→認知機能低下防止のための関わりに役立てることができる。

・食事の好み→食事内容に反映させることで食事摂取量を確保できる。

・こだわり→患者の治療に対する受け取り方や意欲などに対し、より理解を得た上での関わりができる。

などです。これらは全て退院後に元の生活を取り戻すために必要な内容です。

 

同居の家族がいればもちろんそこから情報を得ることもできますが、現在進行形で増え続けている独居生活の高齢者などは本当にこの個別性に関わる部分の情報というものが少ない傾向にあります。

地域医療を推進する上で、オレンジホームケアクリニックではこれらの情報を入院前の段階から取り込み、入院時にはその情報を病院に繋げる活動の必要性を理解し、実践しているのです。

 

③退院直前の関わり:病院へ赴き退院直前の状態の理解

退院直前には直接病院へ赴き患者の状態をみたり、また病院側より入院中の状況などの情報を引き継ぎます。退院支援看護師や介護保険を利用している場合にはケアマネジャーと連携して自宅退院後にはどのような社会資源を利用してその人の生活を支えて行くか、オレンジホームケアクリニックでは何を担えるかなどを相談します。

 

その上で状況によっては退院時には自宅へ付き添いを行い、実際にどれくらい家での生活において問題が出ているのかを見たりもします。問題があればその度に患者への介入方法を見直していく訳です。

 

④退院後の関わり:訪問診療以外の積極的な関わり

退院後には、訪問診療以外にも利用者がこれまで通り地域との関わりと保っていられるか、好きだった仕事ができているかなど、近所の世話焼きおばちゃん感覚で利用者の元を訪れ、問題解決に努めます。

 

例えば、後遺症が残ったことによって地域の老人会への参加を控えてしまっていた利用者には老人会と連携して参加しやすい環境を整えたり、引きこもりがちになってしまった利用者に声をかけて一緒にカフェをしに行ったりもします。

 

人は身体機能・心身機能が向上することで、活動するようになり、様々なことに参加する意欲が湧くと思われがちでした。

 

しかし実際にはそれは逆で、参加することで活動を促され、結果として身体機能・心身機能が向上していくことも大いにあります。

 

人との関わり合いの中で、誰かに必要とされ、何かに貢献できると感じた人は、様々なことに意欲的になり、結果として身体機能・心身機能の向上に繋がっていくと紅谷先生はおっしゃっていました。

 

また、退院できたとしても例えば癌で退院後も外来治療が必要になった人であれば、今後状態が悪化して再度入院する可能性もあります。その場合でも同じように①の入院前からの関わりが始まりこの一連の流れが繰り返されていくのです。

 

現在の医療保険、介護保険により介入される訪問看護はこの退院後の部分からしか関わっていくことが出来ません。

 

一連の包括的な関わりによる効果をエビデンスとして国に提供していく

このオレンジホームケアクリニック での活動内容の多くはボランティアで行っている部分が多くあります。入院前から関わる部分に関しても、入院時の情報提供も医療保険でも介護保険でも点数が入るわけではありません。

 

結果としてこれらの一連の関わりが、病気になって入院をした人が退院した後も施設や家族の介護を必要とせず元の生活に戻れる可能性が増えていたとしても、それがビジネスとして成り立たなければ地域医療において広がることはありません。なんとなく良い結果がありそうだら、地域の訪問看護ステーションや訪問診療医は導入してねと言われても無理な話です。

 

地域医療のあり方として具体的な方法としてまとめ、結果をアウトプットし、その効果を十分なエビデンスとともに厚生労働省へ提供することができれば、介護保険や医療保険で点数が与えられることはそう難しいことではないと紅谷先生は仰っていました。現在もそのための活動をされており、いざその時が来た時にこのモデルを第一人者として提供できるようになれば地域医療はさらに発展していくと紅谷先生は言います。そしてこのモデルに関わる看護師の需要もさらに増えていくはずであると。

 

看護師は地域医療でまだまだ活躍できる場が存在する

地域医療で働く看護師というと訪問看護師というイメージがありますが、実際にまだまだ訪問看護師も発展途上であると紅谷先生は言います。

例えば膵臓癌の診断を受けて余命半年の患者が家で治療をするとなったケースでは、訪問看護師に訪問を依頼してCVの管理や薬のコンプライアンス管理、バイタル管理などを以来すればそれを完璧にこなす訪問看護師はたくさんいます。

 

しかし、膵臓癌だけどまだ家で生活ができるから一旦家に帰ってるからその人のためにできる看護をしてと訪問看護師に伝えても、「え、一体何をすればいいの」という看護師は多いそうです。

 

最期をどのように迎えたいか、残された時間で何がしたいか、なるべく家で生活が続けられるようにするためにはどうすればいいか、どのような症状が出たら医師に相談すればいいか、家族は受け止め方はどのようなもので本人の考えとのすり合わせはできているのかなど、本当はめちゃめちゃ多くできる看護がある筈なのに、医師の指示に縛られていると、本当に必要な看護が見えてこなくなることもあるわけです。

 

医療保険、介護保険という制度に固執してしまうと退院後の地域医療における看護は訪問看護、イコール訪問看護ステーションだというイメージが湧きがちですが、実際には看護を提供するシチュエーションは地域医療において訪問看護以外にもたくさんあるのです。

 

看護師は医師からの指示を忠実にこなす者を指す専門職ではありません、看護を提供する者が看護師なのです。長く看護師として勤めていると、病院や学校、訪問看護ステーションなど働く場所あっての看護師だという無意識の先入観が生まれ、地域医療において看護師が出来ることは何かという考えの幅を狭めてしまうのです。

 

まとめ

以上が福井の地域医療の先駆者である紅谷浩之先生との対談の内容です。一言一句録音して書き出したわけでは何ので俺なりの解釈が入ってもしかしたら先生の意図と違う部分があるかもしれませんが、そこは許してください(´;Д;`)。

話していて感じたのは、本当に一歩先を考えて行動している人だということです。現行の医療制度を基準に考えるのでは無く、現在の日々変わりゆく人々のニーズに合わせて求められる地域医療を作り上げていこうとする姿は俺にとって本当に魅力的に感じずにはいられませんでした。

なんならうちで働かないか的なことまで言ってくださり、とても嬉しかったのですが今の職場でやり残したことや、他に見るべきこともあったのですぐに返事ができなかったのが心残りでした。

 

本当に看護師というのは働き方の多様性は無限だと感じます。いやぁやっぱり

 

看護師っておもしれぇ٩( ´ω`)و!!

 

 

 

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