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DPCって知ってる?

投稿日:

こんばんわタクヤです。

 

みなさんDPCって知ってますか?

 

急性期や病床数の大きい総合病院で働く看護師さんであれば一度は目にしたり聞いたりしたことのある言葉だと思います。

実際のところ、私もこのDPCについて勉強するまで

 

DPCについて、

 

入院時や退院時における患者さんの状態に関する情報

 

といった認識でした(実際は全然違うんですけどね。)

 

なぜそんな認識だったのかというと

 

私たち看護師がDPCというものに直接関わっていたのは、この入退院時の患者さんのADLの状況をカルテに書きこむことくらいしか無かったからなのです。

 

DPCについては看護学校でも教えられることはありませんし、病院で看護師に勉強会を開くなどでもしない限り、看護師がDPCを理解する場面はほとんどありません。

 

しかし( ✧Д✧) !!

 

このDPCのことを知ると、病院の経営についてや患者さんが入院していられる期間、さらには看護師に求められるコスト意識などについても考えさせられることが多く。

 

なるほど!!だから上司や先生はあんなことを言っていたのか!!など目からうろこなことがすごい多かったので、ぜひみんなにも知ってもらおうと思ってこのブログにて紹介したいと思います。

 

DPCって何?

DPCとは、簡単に言うと

入院患者さんに対しての治療に対する国からの医療費の支払い方法

 

のことで、ある疾患に対し、

1日当たりの報酬額を一定にした支払方法のことです

 

ちなみに正式名称は

Diagnosis(診断) Procedure(治療) Combination(組み合わせ)

となり日本語では包括医療費支払い制度と言います。

 

この制度は2003年に導入が開始され、急性期入院医療を行う病院では続々とこの制度が導入されるようになってきました。

 

ちなみにそれまでは出来高払い方式が採用されており、これは名前通り、その治療や検査などにかかった費用に対して報酬が支払われる方式でした。

 

ちなみに急性期病院でもすべての病院がDPCを導入しているわけではなく病院ごとに任意で選ぶことができますし、外来での治療は現在でもすべて出来高払い方式です。

 

DPCと出来高払い方式の違いについて

例えば肺炎にて3日間多床室に入院したとします。この入院において

・レントゲン(2回)

・採血(2回)

・抗生剤(1日3本で計9本)

 

を行ったとしましょう。

従来の出来高払い方式であれば、このときの国から支払われる報酬は

 

レントゲンの報酬×2+採血の報酬×2+抗生剤の報酬×9

 

となりますが

 

DPCの場合

肺炎の1日当たりの包括的評価額×3日

 

実にシンプルです。

 

肺炎の1日当たりの包括的評価額は平成28年のデータでは1日あたり約3000点で約3万円です。

DPC場合、3日間で約9万円、、、

 

わかりますでしょうか。

 

DPCの場合、どれだけ薬を使って、どれだけ検査をしても入院日数が同じであれば国から得られる報酬は同じな訳です。

 

よってDPCの場合、より少ない治療・検査であればあるほど病院の儲けも大きくなります。

 

疾患は現在1000以上の分類があり、それぞれに1日あたりの包括的評価額が算定されており、毎年是正されています。

 

これらのデータはこれまでの病院での治療やそれにかかった費用など莫大なデータを元に算定されています。

 

包括的評価額に含まれない報酬もある

 

ただし、DPCでも出来高払いで加算されるものもあります。

例として・・・

・手術代

・個室代

・1000点を超える医療行為

・リハビリ

・内視鏡カテーテル検査

・食事代

 

などは出来高払いになります。

なので、実際にはDPCによる報酬は

 

ある疾患における包括的評価額×入院日数+包括的評価額に含まれない項目の出来高額

 

となります。

図で示すと以下のようになります。

引用:神奈川県立足柄上病院HP

 

入院期間について

DPCを知る上でもう1つ絶対に知っておかなければならない重要なワードがあります。

それが

入院期間区分

です。

入院期間区分は

 

・入院期間Ⅰ(ある疾患に対する患者の入院期間の下位25%の日数まで)

・入院期間Ⅱ(入院期間Ⅰから平均入院期間まで)

・入院期間Ⅲ(ある疾患に対する患者の約98%が退院した日数まで)

 

の3種類となっています。

 

ちょっと分かりづらいかもしれませんね。

平均入院期間は分かるかと思いますが、そのままその疾患における全国の患者さんの入院期間の平均です。

 

入院期間Ⅰ(ある疾患に対する患者の入院期間の下位25%の日数まで)

入院期間Ⅲ(ある疾患に対する患者の約98%が退院した日数まで)

 

この2つが少しわかりにくいかと思いますので、具体例を挙げて説明します。

 

具体例を挙げて入院期間Ⅰ~Ⅲを説明

例えば肺炎の場合、

・入院期間Ⅰ(ある疾患に対する患者の入院期間の下位25%の日数まで)→7日

・入院期間Ⅱ(入院期間Ⅰから平均入院期間まで)→15日

・入院期間Ⅲ(ある疾患に対する患者の約98%が退院した日数まで)→60日

(2016/2017年度)

 

となっています。

 

これはつまり、

 

100人の肺炎患者さんが入退院した期間をデータでまとめたとして

 

・25番目に早く退院した患者さんの入院期間が7日間(入院期間Ⅰ)

・全員の入院期間の平均が15日間(入院期間Ⅱ)

・98番目に退院した患者さんの入院期間が60日間(入院期間Ⅲ)

 

ということを示しています。

実際にはこれを100人ではなく何万人というレベルでデータを集めてこの期間は産出されます。

 

入院期間Ⅰ~Ⅲで包括的評価額が変わる

この入院期間Ⅰ~Ⅲで何が変わるのかと言いますと、それは1日当たりの包括的評価額の金額が変わります。

・入院から入院期間Ⅰまで → 包括的評価額×1.15

・入院期間Ⅰ~Ⅱまで → 包括的評価額

・入院期間Ⅱ~Ⅲまで → 包括的評価額×0.85

 

先ほど言ったように肺炎の場合の包括的評価額は約3万円なので

 

・入院から入院期間Ⅰ(7日目)まで → 1日当たり3×1.15=3.45万円

・入院期間Ⅰ(8日目)~Ⅱ(15日目)まで → 1日当たり3万円

・入院期間Ⅱ(16日目)~Ⅲ(60日目)まで → 1日当たり3×0.85=2.55万円

 

となります。

ちなみに入院期間Ⅲ以降(肺炎の場合61日目から)の場合はすべて出来高払いになります。

 

医療機関別係数について

上記で述べたように、DPCにおける報酬額は、疾患別に設定されている包括的評価額に入院期間Ⅰ~Ⅲの期間別の係数を掛けた金額で産出されますが、これに加えもう一つ包括的評価額を増減させる係数があります。

それが

 

医療機関別係数です。

 

単純に考えて、同じ疾患でも、地方の病院と都会の大病院とでは備え付けられている設備も取り扱っている薬剤数も配備している人員も差がありますよね。

 

つまりは機能の高い病院ほど患者さんを治す能力は高いはずです。

 

例えば同じ肺炎患者さんでも、地方の病院の平均入院期間より、都会の大病院での平均入院期間の方が短くなりますが、DPCでは治療にかかる金額は報酬に関係ありませんので、このままでは大病院の方が損をしてしまうわけですよね。

 

それを是正するのが医療機関別係数です。

 

これはすべての病院に対して国が細かく設定している係数で、機能の高い病院ほど高い係数になっており、つまりは包括的評価額が高くなっているわけです。

 

なので、機能の高い病院がより短い期間で患者さんを退院させても、より長い期間で退院させた地方の病院とで診療報酬額に差が出ないようになっているのです。

 

DPCにするメリットは?

DPCにするメリットは以下のようなものがあります。

メリット①無駄な治療を減らすことができる

このDPCは増え続ける国民医療費を削減することを目的に考案された制度です。

 

出来高払いの場合、治療や検査をすればするほど国から病院に報酬が入るため、過剰で無駄な投薬や検査というものが横行しやすいというデメリットがありました。

 

しかしDPCの場合、どれだけ治療をしても、基本的な部分では診療報酬は1日当たりの金額が決まっているため、病院側は報酬を増やすためには逆に無駄で過剰な検査や投薬などを抑えなければならなくなる訳です。

 

DPCにおける1日当たりの包括的評価額は、必要最低限の治療や投薬を行っている場合、出来高払いの時よりも病院側が儲かるような金額に設定されているため、結果として制度開始初年度は制度を取り入れた病院は82か所しかありませんでしたが、2014年度には約1600か所もの病院がDPC制度を採用するにまで至っています(日本の全一般病床の55%)。

 

病院側が儲けを大きくしようと努力すればするほど、国の医療費も削減されていくわけですね。

 

メリット②入院期間を短くすることができる

先にも説明した通り、入院期間は長くなるほどに1日当たりの包括的評価額は減ってしまうため、一般的には病院側が損をするようになっています。

 

そのため、病院側としては、最低限の治療で、なるべく早く患者さんを退院させることが求められるため、結果として入院期間が短くなります。

 

入院期間を短くされると言われると患者さん側からすればあまりメリットには感じれないかもしれません。しかし、無駄に長く入院させられない、必要最低限の入院期間で自宅復帰できるといえば、間違いなく患者さんにとってはプラスです。

 

DPCだと手抜き医療にならない?そんな心配はいりません。

ぱっとここまでの説明を聞いていて、おそらくはこう感じた人もいるのではないでしょうか。

 

「必要最低限の治療とか、入院期間を短くするとか、それって手抜き医療にならないのか?」

 

私も初めはそう思いました。しかし、このDPCには病院側が手抜き医療を行えないようにするうまい仕組みがあるのです。それは

 

1回の入院につきDPCでは対象は1疾患に限られる

 

というルールがあるのです。

これは一回の入院期間において、メインとなる疾患に対してのみ報酬が支払われるというものです。

 

つまりはどういうことかといいますと、

 

手抜き医療をして患者さんが合併症などにかかってしまった場合、その医療費は病院側の負担になるということなのです。

 

さらには先ほどもいったとおり、合併症など他の問題が起こらなかったとしても、手抜き医療をして疾患が回復せず入院が長引けば、報酬額は減らされてしまうので、結果として手抜き医療にしてしまうと病院側が損をするという仕組みになっているわけです。

 

なので病院側不足すぎず、かつ過剰過ぎない医療を行う必要が出てくるため、結果として医療費の最適化が図られるようになっているのです。

 

DPCって制度は、知れば知るほど良く考えられた制度だなぁと感心してしまいます。

 

ちなみに初めに言っていた看護師がDPCに関わる部分で入院時の患者さんの身体状況を入力するくらいしか関わらないといっていたと思いますが、あれは厚生労働省が今後さらにこの包括的評価額を適正化するためのデータを取るために行っているものです。

現状の制度では、例えばADLが全介助の患者さんでも、完全にADLが自立している患者さんでも、同じ肺炎であれば包括的評価額は一緒です。

しかし、実際にはADLが自立している人と全介助の人とでは入院期間中の看護量は全然変わりますよね。その看護量の違いに関して、今後包括的評価額に反映させるために、このデータ採取を行っているのです。

 

終わりに

以上が管理人理解の範疇におけるDPCについての解説となりますが、なんとなくDPCについてお分かりいただいたでしょうか。最後まで目を通してくれた方はホントありがとうございました。

看護師としては、患者さんへの処置などに使用する物品の一つ一つがそのままコストとして挙がってしまうので、無駄使いなどはしないようにしないといけませんね。

 

※上記の説明に出した包括的評価額などのデータについては、年々更新されているものであるため実際とは異なる数値になっている可能性があります。そのため、あくまでDPCというものを理解するうえでイメージしやすいよう例として挙げている程度と考えていただけると幸いです。数値間違いなどに関してご指摘があれば逐次修正いたします。

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